紡ぎ歌

貴方は優しい ……大丈夫 貴方は 「ぐちゃぐちゃ」にはしないよ?今必死に理性と戦ってる 私がいるわ 嗚呼 ぐちゃぐちゃにしたい

その言葉は ほめ言葉?

『わたしはいつか 幸せになれるのでしょうか?』幸せを願った少女の結末は 悲しいものだった 『ぱぱ ままにはあえないの?』少女が残した『希望』は 純粋な瞳で見上げる ――少女を不幸に陥れた者 その娘が幸せになれるはずがない

ぱぱ ぱぱ ぱぱ!あのね わたしのままって どこにいるの?みんなままが おうちにいるよ? ――ママは遠いところにいるんだよ どうして? わたしはあったことがないよ? ――ママにはもう会えないんだよ ままにはあえないの? まま わたしのこときらいなのかな…… …

音を捨てきれないのは ずっと一緒にいたからでしょう?音を失えば すべてが崩れ落ちていくそれでも私は 失うまでかかわり続けるの?……違う 失ったときに残らなかったら 後悔するから 私はまだ 『ココ』にいるんだね?

赤い実はじけた止められないくらいの衝動切なく痛みが体中襲うの

私は貴方が「好き」なんですでもそれを直接言う勇気なんて持ち合わせてもいなかった 自分を変えるよ 臆病な自分は捨てようか関係が壊れてしまうのが怖い でもそれでもいわなきゃ後悔するのもまた同じ 今の関係も悪くはない だけどそれ以上を求める私は我儘で…

私は鈴を付けるりんりん とうるさいほど鳴るのそれがあるってことは私が存在することだからそれがあるってことはまだ音があるから りんりんりんこの音がなくなったとき私の存在は消えるのね私の世界も消えるのね りんりんりんりんだから私は鳴らし続けるの「…

雨は 私の罪を 表している ほら 傘を閉じたら 何にも音がしないわ ただ 冷たい雨に 打たれるだけ その濡れ姿は 無様な姿 私が罪人という 証を表す そして私の涙を

真白なドレスが着たかったけど私は真赤なドレスが着たくなったのあらあらどんどん染まりゆくわ私のお望み 真赤なドレスこれが”ケッコン”なのね ――ある花嫁の歌

ココハ真ッ暗 ココハ何処?私は何をしていたの? 何も聞こえない 何も見えない無音と暗闇の世界にいるの? 光はいらず あるは暗闇音は届かず あるは無音 誰かの感触だけはするの手のひらに 暖かい感触だけ それもいつしかなくなってしまったの最後は「あ・い…

いつもこの薬を飲むたびに 一つだけお願いをするの『明日になったら これはすべて悪い夢でしかなかった』となることをこの悪夢は 悪夢のまま私が夜に飲む薬 それは病状を抑える薬普通の人間でない私 少しでも『普通』にしがみつくための薬 ――明日になったら …

世界から消えたすべての音彼女に残るあと8音人には出せないその音だけを 精一杯出そうとして―― ――貴方にだけは せめて 届いて…… (最後の音 それはもう 人には出せない音)

あなたが側に 居たいと願うなら へその緒刻んで首輪にしよう あなたが共に 歩みたいと言うなら この皮剥いで靴底にしよう あなたが愛の 口付けせがむなら 水子を唇に塗りたくろう 他の誰かに 奪われるくらいなら 自ら薬指砕きましょう あと一日で 命が終わる…

この子は本当にいるのでしょうか?小さな小さな命の……まだまだわからないよでもね 本当にいるかが不安なの 私のお腹の赤ちゃんへ

神は平等に人を愛されているのにこの世には 差が激しすぎる 愛され過ぎている人または見放されすぎな人 見放されたと感じ 実際そうな人は少ないのかもしれないけど

嘘でもいい 偽りでもいい 早く 早く 契って 愛も何も なくてもいい いつか理解できる 時が来るから 嗚呼 早く誓いの 言葉を頂戴? ―――そうすれば私たちは 永遠に一緒だもの

目があった あちらは声を出した 私は階段を 駆け上がった ドアを開ける 誰も いない 荷物を下ろした いつの間にか私は ピアノを弾いていた そして 歌った そのときの私は ちゃんと『私』だった――

私が消えられたら どれだけ幸せだろう あの空のように 綺麗な心はない あの海のように 清らかな心はない だから私は 消えられたら幸せなのかもね "泡になった 人魚姫"

薬漬けの 毎日が だんだん 非日常だと分かって 私は壊れていく お人形だと 知って しまったんだ だからね せめて その前に快楽を―――

ぱぱ まま あたしをおいて いかないで……

小さな少女は 語りかける 『ねぇ あそこには何があるの?』 大人は 答えない ……少女の周りに 人などもう いなかった―――

ただ触れたい だけなのに

急に 触れられたら と思って 探しに行くの でもね そこには 誰も いなくて……

私に 愛をください

きっと貴方は 痛くないでしょう?

大好きと 大嫌い それの違いって あるの?

さようなら 愛してたよ…… ―――そこに残ったのは 血塗れの 死体

ねぇ 今 貴方はなんていったの? 私に 届いて いないよ? ねぇ 今 私に何か言ったの? お願い 貴方の声を 聞かせて……

貴方が鳴らした チャイムの音も 私にはもう 届かなくなっているから